同友会富岡支部活動報告 6月例会報告

同友会富岡安中支部活動報告 6月例会報告

群馬中小企業家同友会富岡安中支部活動報告

令和1年6月27日(金)
富岡公民館にて開催

【体験報告】
報告者: 茂木食品工業㈱ 代表取締役 茂木 進 氏
テーマ「100年企業めざしての変遷 〜よそにないものをつくる!新商品開発秘話〜」

同友会富岡支部活動報告 6月例会報告
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昭和35年9月 甘楽郡下仁田町青倉にお父様が創業。
昭和61年9月 甘楽郡下仁田町東野牧に新工場と下仁田こんにゃく観光センター(ドライブイン)を建設・移転。
「水かき缶蒸し製法」という手間をかけたこだわりの製法で、コシと弾力のあるこんにゃくを作っているのが特徴。また、「冷温熟成製法」という原料にあまり刺激を加えない製法で作った喉ごしの良い刺身こんにゃくも自慢とのこと。

下記の企業理念・経営理念を掲げ、事業に邁進しておられます。
企業理念
こんにゃくを通して世の中の「あったらいいね」を創造し、人々の心を豊かにする。
経営理念
世の中に必要とされる「こんにゃく製品」を提供し、100年企業を目指します。
そして社員一人一人が誇れる会社を築きます。

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こんにゃく屋の跡継ぎとしての始まり
茂木社長は昭和36年11月生まれで今年58歳を迎えるそうです
子供の頃は、夏休みになると父(創業社長)の家業を手伝わされ夏休みが嫌いだったとのこと。いずれは家業に入ることが自然の流れで、ためらいなく入社されたそうです。

入社後の気持ちの変化
28歳で結婚し、30歳を過ぎた頃から仕事に対する改善や疑問などの気持ちが芽生えて来たそうです。
様々な経営に関する勉強会・セミナー・講習会など多数参加。後継者として必要なことを学ぼうと悪戦苦闘。
会社の経営状態について決算書など帳票を見始めると、本業で赤字が出ているが、雑収入などが多く、結果黒字決算。
「経営状況を改善しよう」と親である社長、叔父である専務に意見を述べると、その都度喧嘩。
自分なりに「儲かる会社」にするにはどうすれば良いか、営業利益が出るような会社に出来るのか、事あるごとに意見し、そして喧嘩。その繰り返し。

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平成3年ごろをピークにこんにゃくの家系消費量が減少し始める。
何かお土産系でヒット商品を出したい、と思って商品開発に試行錯誤。
この頃からお客様に喜ばれる商品開発に力を入れ出したそうです。
平成12年には、インターネットショッピングモール「楽天市場」に出店。
社長達に大反対されながらも着手し、2年で120万円の出店費を掛けたが、売り上げは50万程度。結果、大赤字!!
だが、この2年を使ってネット販売のノウハウを学び、平成15年7月、「下仁田こんにゃく処 ぜいたく庵」を開店。自社サイトを立ち上げ、年々売り上げを伸ばしたそうです。


そして、平成16年6月に社長交代。
経費削減をして、売り上げを伸ばして・・・
しかし、社内の体制は何も変わらず、何の改善・変革もできず。段々変わるだろう、と思っていたが・・・
事業承継、渡す側・渡される側、どちらも準備ができていなかった為、うまくいかない状態になっていたとのこと。
2年後、経理を見直し(自分の妻が入った)、経費節減(事業保険などの見直し)などを行い、少し改善。
富岡・下仁田地域で自然災害によりこんにゃくの原料が高騰。苦労もたくさんあったそうです。

ISO 9001:2008を1年半かけて社内で取り組むことで、社内全体が少しずつ変わって来て、
平成22年5月、認証取得。
商品開発に力を入れていたが、更に取り組みを強化。
補助金などの支援を受け、積極的に販路開拓。新商品を作りながら、販路も開拓。
大規模展示会への参加、80万/一回くらい掛かるが、補助金などうまく使って積極的に参加されたそうです。

様々な苦難を乗り越えながらお客様に喜ばれる商品開発を続け、お土産系商品として、みそ漬けこんにゃく、粕漬けこんにゃく、こんにゃくと大根の甘酢漬け、おつまみこんにゃく、うま辛こんにゃく、焦がし下仁田ねぎの味付け玉こんにゃくなどを開発。
お客様からの「こんな商品があったらいいね」という声に応え、ほろっと崩れるこんにゃくを2年半かけて、介護施設の管理栄養士と共に作られたそうです。


平成24年には、「楽天市場」へ再出店。現在では年間6,000万円もの売り上げを上げる立派な事業となっており、自社Webサイトと楽天の2店舗展開されているそうです。


平成29年4月には、御長男が後継者として入社。
平成30年11月には、兄に続いて三男、次男も入社。兄弟で相談しながら、3人で事業を継いで行こう、という意気込みで入社されたそうです。
身内と既存社員の間で壁が出来ても困ると考え、社内の組織化に取り組む。
社内勉強会。作業の標準化(これまでは主要な担当者が休むと、業務が回らなくなっていた)、理念に沿った目標、部門ごとのOJT、生産計画、生産管理など着手。


平成31年2月から、新工場の建設が始まっており、8月からは新工場が稼働開始予定とのこと。製造エリアの部分を増築することで、現状の商品づくりの半数の人間で既存商品が作れるようになり、一層新商品開発に力が入れられるようになるそうです。

「息子達も入ってくれたので、65歳までは頑張って、自らが苦労した事業承継の課題を出来るだけ解決して、次世代へ継承していきたい。」
「こんにゃくが好きだが、高齢化と共に食べれなくなった方が喜んでくれる商品、など、顧客の要望を満たす商品開発、「こんにゃく」を通して、人々の心を豊かに、次世代につながる商品を作っていきたい。」と今後に対して力強く語る茂木社長の姿と言葉に、とても感銘を受けた素晴らしい体験報告でした。

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(有)ゆう優ハウス大和 丸山裕太

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